クリーンルーム用技術情報

TECHNOLOGY
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クリーンルーム用イグチベアーの特徴について

  1. ガラス基板にキズをつけないデュポン™ベスペル®をはじめ、PBIやPEEKに代表される、各種エンジニアリングプラスティックを採用。
  2. 極限までパーティクル(発塵)の発生を抑えた、ISB独自のクリーン化テクノロジーを搭載。
  3. 切削による高精度なISCイグチベアーに加え、大幅なコストダウンを実現した射出成型製品もラインナップ。
  4. 200℃以上の高温環境や真空チャンバー内、各部ローダー、アンローダー、光の反射を嫌う光学測定機、マザーガラス切り出し部等、各種用途に応じた製品をラインナップ。
  5. ユーザーの特殊用途に合わせた特型製品の製作が可能。

ご注意

デュポン™およびベスペル®は、デュポン社の商標もしくは、登録商標です。

クリーンルーム用イグチベアーの採用のメリットについて

  1. ガラス基板位置決め時の摩擦抵抗値が従来のピン方式の約1/10に低減。
  2. 滑り方式のピンに比べ、転がり方式のイグチベアーは長期的に安定した低摩擦抵抗で、ガラス基板のアライメントが可能。
  3. 摩擦抵抗値の低下により、ガラス基板の割れが極端に減少。ローダー、アンローダー部や各処理工程での歩留まり改善が可能。
  4. 摩耗の為に日々必要となっている接触部材の交換作業が大幅に低減。

クリーンルーム用イグチベアーの耐荷重について

クリーンルーム内で使用されるイグチベアーの耐荷重は、ユーザーの考えによって変わります。ISBとしては、クリーンルーム向けイグチベアーの耐荷重について次の点に留意し、ユーザーと打ち合わせを行った上で仕様をご推奨しております。

  1. 使用環境(使用条件)
  2. 接触する面の材質
  3. 移動する距離
  4. 移動する速さ

クリーンルーム向けイグチベアーにかけられる耐荷重は、各工程や処理装置により、変わってきます。そのため、パネルメーカーの基準に則して、ISBなりの実績に基づく提案をさせていただいております。
初めて採用をご検討いただく場合は、クリーンルーム向けイグチベアー1個に対して『0~1.0kgf』を目安として、設計検討してください。
詳しくは担当窓口にご相談ください。

導電性イグチベアーの除電特性について

LCD用ガラス片に静電気を帯電させておき、ガラス片に導電性イグチベアー、または通常イグチベアーを接触させた時の電圧降下状況を静電気測定器により測定。

B-1
導電性イグチベアー
(メインボール表面抵抗率:10^4~10^5)
B-2
絶縁性イグチベアー
(メインボール表面抵抗率:10^12以上)

ISCイグチベアーの基本性能について

クリーンルーム内で使用されるイグチベアーはユーザーの考え方やご使用方法で、材料や使用荷重が異なるため、従来のイグチベアーの概念だけでは使用不可となります。
半導体やFPD製造装置で、イグチベアーの利点を活用していただくための目安として、ガラス基盤のアライメントを想定し、社内試験を行いました。

ご注意

実際に使用する場合には、一定の制限がありますので、詳しくは担当窓口にご相談ください。

イグチベアーとPEEKピンとの発塵性比較

クリーンブース内において、FPD用ガラス片をイグチベアー、またはPEEKピンで支え、それぞれの想定荷重をかけて、前後に数ミリ移動させた時の発塵性を液中パーティクルカウンターを用いて測定。

テスト対象は、下記の通り

  1. PEEKピン
  2. ISBイグチベアー:ISC-10JS-J
  3. ISBイグチベアー:ISC-10V1S-J
  4. ISBイグチベアー:ISC-16V1V1-V1

イグチベアーとPEEKピンとの摩擦抵抗比較

一般環境においてFPD用ガラスを数個のイグチベアー、またはPEEKピンで支え、ガラス基盤の端面を、一定の力で押した時の水平方向荷重をロードセルにより測定。

イグチベアーの摩擦係数測定調査試験

調査目的

ISCS-10P1S-J型の摩擦係数測定を行う。

調査内容

摩擦係数測定器にて検体イグチベアー1個当たり100gf時、500gf時、1000gf時の荷重条件下で摩擦係数を測定。
移動速度:約5mm/min

調査結果

  • 平均摩擦係数
  • 荷重1000gf時=約0.025
  • 荷重500gf時=約0.021
  • 荷重100gf時=約0.018

脱脂洗浄方法について

ISB洗浄

パーツ別真空超音波洗浄 ( 炭化水素溶剤使用 )洗浄、乾燥確認後、油分が付かないよう手袋着用にて組立。ビニール個別溶着梱包実施。

クリーンパック

パーツ別真空超音波洗浄 ( 炭化水素溶剤使用 )洗浄、乾燥確認後、油分が付かないよう手袋着用にて組立。ビニール個別溶着梱包実施。

梱包の種類
  • 標準梱包:主にクリーンルーム内に持ち込む前に開封し、人の手で触る場合。
  • 真空梱包:長期保管や海外に輸出する場合。
  • クリーンパック梱包:部品で支給し、クリーンルーム内で作業をする場合。
  • 標準梱包

  • 標準梱包

  • 真空梱包

  • クリーンパック梱包

クリーンパックフローチャート

一般的なクリーンルームとは?

クリーンルーム

空気中における浮遊微小粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、その空間に供給される材料、薬品、水やその他についても不純物、ゴミを取り除いてゴミを持ち込まないようにし、必要に応じて温度・湿度等を一定の基準に制御する空間。

洗浄度クラス

クリーンルームの清浄度は「一定の体積中にある粒子の数」で示されます。一般的に最も使われているものは 209Dで 1ft³( 立方フィート≒ 28.3 リットル)中の微粒子数で表します。
クラス 100 とは1立方フィート中に 0.5ミクロン以上の微粒子が 100 個以下であることです。1,000 個 以下であればクラス 1,000。同じように 10,000 個 以下であればクラス 10,000となります。つまりクリーンルームの清浄度は空気中のゴミの数であり、数字が小さいほどクリーンな環境になります。

Fed.Std.209D 0.1μm 0.2μm 0.3μm 0.5μm 5μm
クラス 1 35 8 3 1
クラス 10 350 75 30 10
クラス 100 3,500 750 300 100
クラス 1,000 35,000 7,500 3,000 1,000 7
クラス 10,000 10,000 70
クラス 100,000 100,000 700